
第99回東京インターナショナルギフトショー春2025および、LIVING&DESIGN2025など各見本市が、2025年2月12日(水)から14日(金)にかけて東京都江東区の東京ビッグサイトで開催された。

LIVING&DESIGNでは、昨年9月の同展で発表された「木材を使った家具コンペ」の入賞作が実際に製作され展示された。

また、2023年9月展から実施されている特別コラボレーション企画の「商店建築LOUNGE」は、同誌での人気企画をリアルの場で具体化する企画として、今回も多数のプロダクトが展示された。






喜多氏が手掛けるリノベッタプロジェクトからも、家具をはじめ多くのプロダクトが展示され、注目を集めた。今回は和紙を用いた照明など、同氏が手掛けた家具以外のプロダクトについても展示するなど、海外でも知られている同氏のデザインプロダクトをより幅広い分野のアイテムで展開し、新たな時代への空間提案が行われた。





このほか、LIVING&DESIGNでは、川口タンス店 E-comfortや諸富家具振興協同組合からレグナテック、中村敬木工が出展し、それぞれが得意とする家具提案を行った。東京都は「とうきょうの木 魅力発信拠点 TOKYO MOKUNAVI」として、東京都産材の活用PRを行うなど、コントラクト提案をおこなった。

開催期間中には、喜多氏と椅子研究家の織田憲嗣氏による「椅子を話そう」および、建築家の藤本壮介氏による「Between Nature and Architecture」、建築家の佐々木達郎氏と商店建築社の塩田健一氏による「空間デザイナーが教える〈地域に根ざしたホテル〉のつくり方”空間デザインとFFEコーディネート” から見る「にぎわうホテルの設計手法」の各種セミナーも開催された。

喜多氏と織田氏による「椅子と話そう」では、喜多氏がこれまでに手掛けてきた数々の椅子について、その製作のきっかけを語った。同氏は椅子をデザインすることについて、「依頼されたメーカーからテーマをいただき、その時に受けたインスピレーションを大事にしている。クライアントの目が光る、コラボレーションが大切だ。時代や時間、コストやスピードの条件、マーケットの条件などをきちんとフォローしないといけない。それがデザイナーとしての仕事の在り方だと思っている」とし、「世の中がどう変わっていくかにアンテナを張ること。デザインはフレッシュでないと、人の気をひけない面がある。名作は時間が経っても、”時間が止まるほど”フレッシュだ。このような名作、そして時間に立ち向かわないといけない」と話した。

織田氏は、北海道東川町でのプロジェクトの進捗についても触れ「アートミュージアムのための調査費について、議会での審議が通り、町長からも概要説明を受けたので。構想から30年以上かかったが、やっとプロジェクトが動き出しそうだ。半世紀以上研究しているが、書籍や図面なども東川町に寄贈した。デザインミュージアムを日本で初めて作るということが動き始めた」とし、「どのような視点で集めてきたかというのは、基本的に構成に残し伝えていかないといけないと判断したものは、無名の作品であったとしても選ぶ。もうひとつは美しいもの。ていねいな暮らしから美しいものは生まれる。生活者の視点から生まれた、私なりの審美眼で選んでいる」と、今後のプロジェクトの進捗についての期待を語った。