フランスから愛をこめて  ファイングレードウールクラブ フランス代表 Henri Arnaud

私の父は1960年初頭、南フランスの片田舎で羊毛商を創業。
当時は食用で処理された羊の毛皮からウールを抜き取り、紡績工場へウール原料として販売。
小さな家族経営の「羊毛の原料屋」だった。しかしその後、イタリアやトルコの毛皮産業の台頭により、
フランスの毛皮産業は衰退し、ウール原料の入手が困難になった。

1980年代に入り、我が家は羊のチーズや乳製品を目的に飼育するフランスの牧羊農家を回り、
そこで毛刈りしたウールを買い取る仕事を始めた。
その頃、牧場を走り回る一人の日本人、長尾さんと出会った。
「まだ誰にも知られていない、素晴らしい弾力性あるウールがきっとある」、
そう彼は信じ、何度も片田舎の牧羊農家を訪問する羊毛原料商社であった。
その熱意を感じ、私も毛刈、選別、洗浄加工の研究を続け、最後には私たちのウールで作られた寝具が、
日本で初めて店頭に並んだ瞬間は、忘れがたい喜びとともに脳裏に焼き付いている。

日本の寝具業界は、さらに品質向上を求めた。その希望に応える為、私は数百軒の牧羊農家を訪ね歩いた。
どんなによい草原が有っても、牧羊農家に「常に品質を向上させよう」とする努力がなければ、
安定して品質の高いウールも供給できない。苦労の末、私が探し求めていた“ウールへの熱い情熱を持つ農家”
に出会った時の感動は、言葉にできないほど大きなものであった。
さらに洗毛技術のノウハウを持つ長尾さんの協力を得ながら、日本で最も品質基準の高い
寝具用ファイングレードウールを完成することができた。

当初、無名だったフランスのリムザンやラコーンというウールを輸出する時、「色が黄色っぽいから、こんなウールは売れないよ」と言われた。しかし今ではその弾力性、耐久性、保温性など品質の高さが認められ、日本だけでなく、ドイツの大手寝具メーカーからの注文も増えた。これもひとえに、私のファイングレードウールを素晴らしいといって支えてくれた日本の皆様おかげと深く感謝している。

これからも私は、たとえ無名であっても本当に素晴らしいウールを紹介し、品質の高いファイングレードウール基準を厳守し、リーズナブルな価格でお届けする。
日本の皆様に私の情熱と愛が届くよう、これからもフランスの大草原を走り回る。
お問合 FGWC日本事務局 052-203-5100