The Inspired Home Show 付加価値製品取材レポ(2)オックスフォード大学発、高効率調理鍋 加熱エネルギー4割カット

北米最大の家庭用品見本市である「ジ・インスパイアードホームショー」が3月2日から4日にかけての3日間、イリノイ州シカゴのマコーミックプレイスで開催された。同展ではグローバルイノベーションアワーズ(通称gia 読み:ジア)という、機能的な革新性とデザインに優れる製品を表彰するプログラムが存在する。本紙では、giaに入選、もしくは受賞した製品を中心に連載で紹介する。

giaの調理器具部門で最優秀賞を受賞

イギリスに本社を置くFIREUP Cookware社による、「FIREUP Cookware Set」はスキレット、ダッチオーブン、シチュー鍋などのセットで、いずれも一般的な鍋製品に比べて最大40%少ないエネルギー量で加熱ができる、革新的な調理器具。キャストアイアンで作られており、鍋の底に向かって、空冷フィンを想起させるような無数の尖頭が設けられることで加熱効率を飛躍的に高めている。今年度のgiaで調理器具の部門で最優秀賞を受賞した。ティール色や黄色など、ユニークな色合いと独特なデザインも受賞の一因となった。価格は鍋の種類により大きく変わるが、最も高額なダッチオーブンで上代295ドル(約45,000円)だという。

同社は、イギリスのオックスフォード大学で、ジェットエンジンを専門に研究する工学部教授Thomas Povey氏と、三世代にわたってキッチン用品を製造してきた家系に育った実業家、Raghav Agarwal氏により4年前に設立された。Povey氏は登山中に、低気圧によりお湯を沸かすのに時間がかかることから、本製品の着想を得たという。

様々な色合いの高性能調理器具が並ぶ

クラウドファンディングでスタートし、北米を中心に販売が拡大した。他国にも販売網が構築されつつあり、アジア地域では韓国を筆頭に、日本でも展開があるという。同社営業担当者は弊紙のインタビューで、「多くの来場客がこの鍋の革新的な特徴、そして色合いに目をとめてくださり、とても好評いただいています。新しい製品を探しているバイヤーにはうってつけでしょう」と語る。会社創業から4年連続で出展し、順調に事業を拡大してきたようだ。

(続く)