
アルフレックスジャパン(東京都渋谷区、保科卓社長)は2025年1月22日、アルフレックス東京にて、新製品発表会「arflex 2025 Collection Press Preview」を開催した。発表会のテーマは、「JOY in modern life.」とした。上質な家具は日々の生活に充足感、そして喜びを与えるという考えを表現したもの。
プレス発表会の冒頭、代表取締役社長である保科卓氏より挨拶が行われ、同社の体験型ショールーム「カーサミア河口湖」のリニューアルオープンについても発表もされた。同施設は、約5000坪の敷地に同社のショールームや商品開発の研究棟、3棟のモデルハウスで構成されている。インテリアコーディネーターやデザイナー等のプロユーザーを招いてインテリアを体感する場として活用されてきた。
オープンから35年以上が経過しているため、2024年から修繕工事、空調工事、モデルハウスのレイアウト変更、モルテーニのキッチンへ入れ替えなど大規模なリニューアルが進行中だ。また新たに撮影スタジオや、モルテーニの製品のみでしつらえるモデルハウスも登場する。2025年5月にリニューアルオープンを計画しているとした。
バイオウレタン採用、端材活用の天板など、サステナブル取組加速
保科氏は続いて、サステナビリティへの取り組みについても発表した。今回の新製品からソファやチェアに採用するウレタンの一部を自然由来のバイオウレタンへシフトさせる。同社が3年前から研究を続けて、今回実現にこぎつけた形だ。国産のモールドウレタンは15%、輸入のモールドウレタンでは、20%のバイオウレタンへのシフトが行われた。その他、エンドユーザーの使った家具を下取りし、分解して作り直すというアップサイクル活動や、牛革の廃棄低減、有効活用を進めるべく、「ナチュラルマーク(牛の虫刺され痕等)」のある革の利用基準見直しについても発表。エンドユーザー、業界に対して広く理解を求めたい考えだ。
昨年からのトレンドとしてソリッド感を取り入れたソファ、テーブル
続いて、経営企画室の西部氏より新製品発表が行われた。2025年の新製品は10品目、バージョンアップが5品目、インポートセレクション(アルコ)3品目の合計18製品で構成された。同社は住宅を中心にソファの販売構成が多いメーカーだが、今回はソファにとどまらず、ダイニングテーブル、ラウンジチェア、キャビネット、照明など幅広いカテゴリで新製品が発表された(本記事ではその一部を紹介)。
説明の冒頭、同氏は「現代のトレンドとして、嗜好の多様化がみられ、エンドユーザー自身がインテリアに対して具体的な要望やイメージを持ち始めており、彼ら自身の『編集能力』が高まっている」と説明。これを受けて新製品は様々なニーズ、インテリアテイストに対応できることを主眼に説明が行われた。

新製品「SOFFIO(ソフィオ)」は、張地を変えることで多様なシーンに対応できるソファ。「ボールドライン」と「グログラン」の2種から輪郭を選ぶことができる。ボールドラインは太くやわらかな輪郭を描くのに対して、グログランは細いラインで輪郭が強調されている。また、昨年のミラノサローネなど欧州のインテリア展では、ソファの脚部が隠れたどっしりとしたフォルムが多く見受けられた。同社はこれをソリッド感と表現し、新作ソファのデザインにトレンドを取り入れた形だ。

続いて、ソフィオと一緒に使えるコーヒーテーブルとして、「TROCADERO(トロカデロ)」が発表された。天板が長方形のタイプと円形のタイプがあり、円形タイプには、木質とグロッシー塗装の2種を用意。グロッシー塗装は、上部にガラスの天板を載せることで、一層存在感を感じさせるテーブルとなった。
また、建築資材の余剰コンクリートでつくりあげたコーヒーテーブル「KEYSTONE(キーストーン)」の発表も行われた。本製品も環境配慮への取り組みの一環として紹介が行われた。
ラウンジチェアの新作「ALIA(アリア)」は、アップライトな座り心地で、ダイニングチェアのようにも使える大ぶりの椅子。デンマークの古い椅子を模してデザインされた。

ダイニングチェア「JOY(ジョイ)」は回転機構を持つ椅子で、12色の専用生地を用意。花びらを想起させるようなデザインで、軽やかな印象を与えるチェア。

続いてダイニングテーブル「ACCA(アッカ)」の発表が行われた。イタリア語でアルファベットの「H」を意味するこのテーブルは、真横から見た形から名づけられた。ブラックウォールナット材もしくはオーク材の集成材の天板も特長的。チップ状になった端材を集成して天板に採用することで、ここでもサステナブルなものづくりを訴求した。また、アクリル化粧板(FENIX化粧板)を選択することもできる。
この「ACCA」に組み合わされたのが、「VENDOME LOUNGE(ヴァンドーム・ラウンジ)」だ。4色のカラーバリエーションを持ち、住宅・非住宅の両用が可能なラウンジチェア。スチールの脚部と、丸く広い座面が特長的。VENDOMEのダイニングチェアも発表された。張地次第で大きく印象が変わることを訴求。
その他、オランダの老舗テーブルメーカーのARCO(アルコ)の取り扱いも開始し、今回3種のダイニングテーブルを発表した。SLIM(スリム)というその名のとおり薄い天板を持つ本製品は、天板並びに脚の厚さはわずか28ミリ。線の細い印象を与えるテーブルだ。「DEW」(デュー)は、一見楕円に見えるが、どこから見ても非対称という独特な形状の天板を持つテーブル。「KAMI」(カミ)は、日本語の紙からきており、重厚感ある脚に、薄い天板を載せたダイニングテーブル。ペンダントライトの「WITCH HAT」(ウィッチハット)、キャビネットの「ASC(アルフレックススタンダードキャビネット)」なども紹介が行われた。なお、いずれの製品も1月23日より発売開始となる。