【インテリアコーディネーターインタビュー2025】Improve Life 主宰 大山明美 氏 エスティック、フォルマックスブランドの魅力を語る

――まず大山さんの自己紹介からお願いいただけますか。

大山 2018年に個人事業主として「Improve Life」を開業しました。開業前は、フリーランスとしてインテリアコーディネーターの活動をしていました。開業後は、インテリアの仕事に加えて、ライフオーガナイザー、整理収納アドバイザーとしての活動も開始しました。

インテリア業界に携わるようになったのは、遠藤照明が手掛けています家具事業のAbitaStyle(アビタスタイル)というブランドの立ち上げ当初になります。こちらの外商部に約5年在籍していました。当時は、ハウスメーカー、デペロッパー、設計事務所、大手インテリア会社、リフォーム会社などが主な取引先で、家具やインテリア製品を卸していました。ある仕事では、住宅展示場のトータルプランニングと、ディスプレイまでを一貫して請け負うこともありました。その他、商業施設の家具プランニングや大型ショールームを活用したマンションのオプション会開催、分譲住宅とのタイアップなど、仕事の幅は多岐にわたっていました。

――そのような職に就きながら、家具について学んでこられたというわけですね。

大山 当時、この家具事業部は、倉庫型の大型ショールームを展開していましたので、展示数は非常に多く、覚えるのに苦労しました。代表的な国内メーカーの人気商品をはじめ、海外輸入製品のあらゆるテイストの家具を幅広く取り扱っていましたので、学ぶ機会はとても多かったですね。

結婚・出産を機に退職し、その後、約6年の専業主婦を経て、フリーランスとしてインテリアコーディネーターの活動を開始しました。最初に所属したのは、住友不動産シスコンです。主に新築マンションのインテリアコーディネート業務をしていました。こちらでは業務前研修として、家具やカーテン・照明など40社以上のメーカーショールームを自身で回るというミッションがありました。この経験は、商品の魅力だけでなくショールームの魅力を再確認する良い機会になりましたね。以降は、出来るだけメーカーの新作展示会などにも積極的に参加するようにしています。また、社内ショールームにも、カーテンや家具展示がありましたので、メーカー勉強会も多く、売れ筋商品を学べる機会は比較的身近にありましたね。

――インテリアコーディネーターとしてご活躍されてきたわけですが、専業主婦時代の経験も役に立っているのですね。

大山 そうですね。育児と家事に専念していた経験も、今の仕事にとても活きています。特に家事動線や家族構成を意識した収納提案や配置計画、家具や素材選びに役立っていると感じます。家具で例をあげますと、小さなお子様がいらっしゃるご家庭では、ガラス製品や角がとがった家具などは控えて、ラインや素材が優しい商品を提案しています。また、ソファはカバーリング仕様で手洗いできる商品をおすすめしています。

――開業されたきっかけについても教えていただけますか。

大山 お客様から、片づけや整理収納についてご相談を受けることが増えたため、少しでもお力になれたらという思いで勉強を始めました。そして、ライフオーガナイザー1級、整理収納アドバイザー1級の資格を取得しまして、以降は片づけのプロとしても活動しています。この仕事は、業務委託だけでなく個人で請け負うことも多いため、インテリアの仕事も考慮した結果、個人事業主として開業することにしました。屋号のImprove Lifeは、「暮らしの向上や改善」という意味を含めて、このような名称にしました。

現在、インテリアコーディネート業務としては、新築マンションに関わる仕事が中心で、建築中のオプションや設計変更、インテリアプラン等の仕事をしています。片づけや整理収納の仕事としては、コンサルティングを3時間ほど行わせていただき、別日に6時間の片づけサポート作業を行うサービスをパッケージ化して行っています。

――インテリアのみならず、暮らし全体に関わるという、そのような取り組みをされていらっしゃるのですね。

大山 私は、お客様の「快適な暮らし」をサポートしたい、という思いで仕事をしています。素敵なインテリアや家具が暮らしを上質にしてくれることは勿論ですが、片づけや整理収納にストレスを抱えていれば、暮らしは快適とはいえません。そして、上手く片づけられない要因について、ご自身では気づけない方や対応策が分からない方が多いのです。そこで、ヒアリングすることで原因を掘り下げていく手法を用いています。空間や物に対してのアプローチのみならず、暮らす人にも寄り添えるサポートを目指しています。

私自身も以前は、暮らしにストレスを抱えていましたが、学んだことによって、自らの暮らしが改善されてストレスもとても減りました。このことをより多くの方へ伝えたいと考え、片づけや整理収納のサポートも続けています。

――さて、今回はエスティックの商品をコーディネーターの視点から紹介していただきたいのですが、エスティックと付き合いを深めていかれたきっかけについて、まず教えていただけますか。

大山 以前、インテリアコーディネート業をしながら、ラグ輸入代理店「スプリングヴァレー」の営業も兼務していました。エスティックフォルマックスでは、このラグを販売されていたことから繋がりが深まりました。ハウスメーカー主催のイベントでは、販売応援としてお手伝いする機会もいただき、より交流が深まっていきました。

ソファ[LOVAGEロベッジ] リビングテーブル[CLARTEクラルテ]

――エスティックの特長などについて、大山さんからのご感想等はいかがですか。

大山 エスティックは、デザイン性が高く、高品質で技術が高く、信頼できる家具メーカーですね。世界で活躍する著名デザイナーともコラボレーションされていて、数多くの製品がグッドデザイン賞を受賞されています。その美しいデザインや機能性を形にできているのは、高い技術力があるからです。そして使われる数々の素材は、厳選された一流の素材ばかりです。品質管理も徹底されているので、保証やアフターサービスも充実しています。

日頃から私は、質の高い家具を長く愛用していただきたいと考えています。フォルマックスのソファの構造体には、全てに10年保証が適用されています。また、ソファにはカバーリングシステムが採用されていますので、ほとんどのソファが本体側まで外せる仕様になっています。他メーカーでは、ソファ本体側のカバーが外せないことがありますが、こちらでは全体のカバーのみを買い替えることができますので、製品を長くお使いになっていただけます。また、カバーが外せることで、洗えることも大きなメリットになっています。

ソファ・リビングテーブル[ELENAエレナ]

――やはり、カバーリング仕様で洗えることや買い替えができることを重要視される方は多いのですね。

大山 特にファミリー層の方からの要望は高いですね。小さいお子様がいる世代の方は、カバーを外して洗えることや、後々買い替えられる事を望まれる方は多いですね。他には、ペットを飼われている方からも要望されるケースは多いです。カバーリングシステムは、こういった「洗える」というニーズと、「買い替え」によって長く使いたいというニーズにお応えできているので、とてもおすすめしやすいですね。 

――生地も多種多様なラインナップがあると伺っています。

大山 フォルマックスでは、デザイン性が高く上質なヨーロッパ製の生地が使われています。ヨーロッパの厳しい基準をクリアしている生地ですから、摩耗性や耐久性も高いですし、発色もよく触り心地もとてもいい生地ばかりです。デザインやカラーバリエーションも豊富で、常にトレンドを採り入れて更新されています。この厳選されたファブリックは、フォルマックスブランドの強みの一つだと思います。

アクアクリーン生地(※画像は取扱い生地の一部)

生地ランクは、4ランクから9ランクまでを取り揃えています。スペインの有名な「アクアクリーン」という汚れにくい特殊加工がなされた生地も取り扱っています。このアクアクリーンのラインナップも豊富で、ランクもお求めやすい4ランクからご用意があるため、大変人気があります。その中には、ペットに対応した生地も取り扱いがあります。

――実際にショールームにご案内される顧客の方は、どのような方が多いのですか。

大山 今現在、私がメインで手掛けている仕事は、建築中のオプションや設計変更業務が中心なので、ご紹介できるお客様は限られてはいます。そんな中、インテリア全体をトータルにプランニングご希望のお客様をご紹介するケースが多いですね。設計変更の時点から、関わりが深まった方々が中心ですので、住まいにこだわりを持ったお客様がほとんどです。

エスティックフォルマックスのショールームには、人気のインテリアショップが集まる表参道エリアで、駅からもすぐ近くです。一軒家をイメージした3フロアのショールームは、落ち着いてじっくり商品をご検討していただける作りになっていると思います。また、ソファのラインアップも豊富ですが、テーブル類やチェア類、TVボードからラグに至るまで、数々の人気アイテムをまとめて見ていただくことができます。

ご紹介したお客様の中には、他メーカーのソファと比較検討される方もいますが、最終的にはこちらのソファに決められるお客様は多いですね。

――顧客の方々が最終的に決め手にされる要素は、大山さんから見てどのような点が挙げられますか。

大山 ソファであれば、座り心地がいいということが決め手となるケースが多いと思います。お客様のお好みもありますが、座面の中の素材や構造体の品質の違いによって、座り心地にも違いがでますからね。その上、高いデザイン性やカバーリング仕様という点も決め手の後押しとなっています。また、ソファのサイズバリエーションが多く、お部屋に合せてセレクトしやすいことも、評価を得ている要素の一つです。都心のマンションでは、リビングダイニングのスペースがお部屋によって様々です。広々したスペースのお部屋もあれば、限られたコンパクトなスペースのお部屋もあります。気に入られたソファが、ベストサイズで配置できるかどうかが鍵となるケースもあるからです。

――実際に空間に採り入れやすい商品は、どのようなシリーズが挙げられますか。

大山 ソファでは、「TARMINAL UNO・ターミナルウノ」と「MODULE・モジュール」を採り入れるケースが多くあります。

ソファ[TERMINAL UNOターミナルウノ]

TERMINAL UNO・ターミナルウノは、スタイリッシュなデザインで、エスティックを代表するロングセラーの人気商品です。座面はポケットコイルを使用しているので、体圧分散性が高くしっかりとした座り心地です。少しコンパクトになった、TERMINAL UNO MEDIUM・ターミナルウノ ミディアムも加わったことにより、サイズバリエーションの幅が更に広がり、あらゆる空間に採り入れやすくなったと感じます。このシリーズは、背クッションを自由にセレクトする仕様ですので、私は一部の生地に色物や柄物をいれて、アクセントをつけるように提案することが多いですね。

ソファ[MODULEモジュール] ラウンジチェア[LA・LAララ] 

MODULE・モジュールは、一つ上の座り心地を追求した高品質ソファです。座面には、独自の高密度ウレタンとフェザーが使われていますので、包み込まれるような座り心地は格別です。スチールフレームが採用されているので、全体のフォルムが重くならないスタイリングになっています。また、アームの幅も選べ、ロングシートやカウチソファなどのラインナップも多く、幅広い空間にセレクトしやすいシリーズです。お客様の評判もとても高く、今ではターミナル ウノと並ぶ人気商品ときいています。

ダイニングソファ[COX UコックスU]、ダイニングテーブル[CORTLAND VコートランドV]

他には、ダイニングとリビングを融合させた、「BANQUETTE(バンケット)」シリーズも大変人気があります。ダイニングセットとソファをそれぞれ置くという固定観念を取り払った、新しいスペースの使い方を提案したこのシリーズは、エスティックの名声を高めたシリーズの一つです。このダイニングテーブルは、安積伸氏のデザインによるもので、天板が斜めにスライドすることが特徴になっています。斜めにスライドすることで、座面との距離を調節でき、出入りがしやすくなるよう設計されています。この機能は、特許も取られている独自の開発で、デザインを損なうことなく実現できているのは、高い技術があってこそといえます。また、一般的なダイニングセットに比べ、天板や座面は少し低めに設定されていて、ソファは腰が沈み込みすぎず、長く座っても疲れない絶妙な座り心地です。幅広い客層から高評価を得ている人気のシリーズです。

サイドテーブル[Lapalma・YO ラパルマ・ヨー]

海外ブランドで人気の高いアイテムとしては、イタリア・ラパルマ社のサイドテーブル「Lapalma・YO ラパルマ・ヨー」です。天板にフェニックスというテクノロジー素材を使用しているので、耐衝撃性、耐摩耗性、耐光性などに優れていて、指紋レスでマットな質感が特徴です。また、52~70㎝までの昇降機能があるので、ソファのサイドに置く他、ダイニングのサブテーブルとしても使用できます。ラインナップとしては、円形と長方形、それぞれにホワイトとブラックがあります。コンパクトでシャープなデザインですので、空間の邪魔をすることなく、様々な用途やシーンに合わせられるサイドテーブルとして大変人気の高い商品です。

――デザインと機能性、その両面が高いレベルにあり、おすすめしやすいということですね。

大山 そうですね。デザインが優れていて魅力的であることが前提としてあり、その上、昇降機能、天板スライド機能や、カバーリングシステムといった、生活に気の利いた要素があることは、お客様からも高い評価を得ているのではないかと思います。私どものようなコーディネーター側としても、とてもおすすめしやすい要素を持った商品が揃っています。

――人気のカラーリングについてもお聞きできますか。

大山 ソファのベースカラーとしては、グレーやベージュ系のカラーが人気です。例えばグレーといっても、絶妙なカラーが混ざり合った上質な生地が何種類もありますので、大きめの生地をソファにあてて、じっくりご検討いただいています。ショールームの展示にもあるように、ベースのソファはベーシックなカラーにされて、クッション2~3個でアクセントカラーや柄物を入れることが多くありますね。木部のカラーでは、新たにチャコールグレーが加わり、長く人気の高いグレイッシュなインテリアにも対応されています。

エスティックフォルマックス表参道 内観

――最後に改めて、エスティックの商品の魅力を語っていただけますか。

大山 上質な家具は、そこに住む人の暮らしまでも上質にしてくれる要素を秘めていると思います。ある都心のマンションのお客様は、限られたリビングスペースでしたが、ご夫妻二人でゆっくり寛げるスペースにしたいと要望されていました。そこで、ダイニングセットをコンパクトにして、こちらのソファをゆったり配置する提案が採用されました。そのお客様からは、「家がとても居心地のよい場所になって本当に良かった」というお声をいただきました。外食が多かったご夫妻ですが、特にソファの座り心地が最高で、家にいる時間がとても増えたそうです。このように、上質な家具は人を魅了し暮らし方が変わることさえあります。エスティックの家具を買われたお客様から喜びの声が多いのは、人を感動させるモノづくりが根底にあるからだと思います。洗練されたデザイン、厳選された素材、それらを形にする確かな技術、その全てを兼ね備えたモノづくりが大きな魅力だと感じます。

――お忙しい中、多岐にわたりお話いただき、ありがとうございました。

(聞き手 佐藤敬広)