
北米最大の家庭用品見本市である「ジ・インスパイアードホームショー」が3月2日から4日にかけての3日間、イリノイ州シカゴのマコーミックプレイスで開催された。同展ではグローバルイノベーションアワーズ(通称gia 読み:ジア)という、機能的な革新性とデザインに優れる製品を表彰するプログラムが存在する。本紙では、giaに入選、もしくは受賞した製品を中心に連載で紹介する。
カナダに本社を置くWaterH社による、WaterH Boostシリーズは、スマートフォンと連動してユーザーの水分摂取量を管理してくれる最新型の水筒だ。水筒の中身を飲むとどれくらいの量を飲んだか記録される。ユーザーが水分摂取する頃合いになると、アプリのプッシュ通知とボトルが柔らかく光ることで通知を行う。ユーザーが個別に接種目標量を決めて、それに向けた管理、通知を行うことも可能だ。これまで32オンス(約946ミリリットル)と18オンス(約534ミリリットル)の2タイプを展開してきたが、今回子供向けを狙って新たに24オンス(約710ミリリットル)が登場した。
ボトルへの充電はタイプCケーブルを利用し、2週間に1度、30分充電するだけでよく、また食洗器で洗うことも可能だという。

同社のセム・バキス氏は、「統計によれば、75%のアメリカ人は毎日十分な水分を摂取できていません。しかし、私たちの調査では、このボトルを使い始めた人は(水分摂取量が)大きく増えているのです。脱水症状は自覚がなくても、健康に大きな負担をかけます。私たちはこの点について、科学的なアプローチで取り組んでおり、その結晶が本製品と言えます。また、価格的優位性も訴求したいポイントです。このようなテクノロジーを持つ水筒は100ドル以上するのが普通ですが、私たちの製品は約半額で市場の流通を目指しています。」と語った。
同社は元々、フィルター事業からスタートした新興企業。水道に含まれる塩素や鉛、揮発性有機化合物や微粒子などを除去するフィルターを製品展開しており、本製品の一部のシリーズではこのフィルターを内蔵するタイプも存在する。2022年よりWaterHブランドで展開がはじまり、北米のアマゾンでトップセラーを保持するなど拡販が進む。発売から3年を経て、ヨーロッパ、カナダ、アメリカ、香港、マレーシア、タイ、オーストラリアに製品展開されているが、ディストリビューターの不在により日本は未進出だ。高付加価値商材を受け入れる土壌のある日本市場においても普及の可能性はあるかもしれない。
(続く)